―北極海航路支援を目指して―
北極海の海氷を監視・予測するGlobal Ice Center運営開始
株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区 代表取締役社長:草開千仁)は、当社グローバルセンター(千葉市幕張)に、極域をはじめとした全世界の海氷データの収集・観測を目的としてグローバルアイスセンターを立ち上げ、7月1日より運営を開始しました。温暖化により極域の海氷面積が減少を続けている昨今、極域の経済活動に注目が集まると同時に、船舶の北極海航行の可能性も見えてきました。当社では、グローバルアイスセンターの運営を通じて、北半球をはじめとした世界のあらゆる海氷の情報を集約し、常時監視することで海氷の状況を把握し、今後、極付近を航行する船舶の安全運航を支援する予定です。
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北極海航路が実現すると現在の航路から航行距離(時間)が短縮され、燃費が大幅に削減されます
当社は、創業以来20年以上にわたり世界最大の民間気象情報会社として、海、空、陸のあらゆる気象現象を、600人を越えるスタッフにより24時間365日観測・感測・解析・分析・予測しています。 航海気象(Voyage Planning)サービスにおいては、安全性と計画性を追及した最適な航海気象情報を、世界中を運航している約7000隻の外航船舶に提供しています。
当社は、これまでも21世紀における革新的なコンセプトである北極海航路の実現に向けて、海運会社や海氷の専門家とともに北極海航路における現状と課題を探ってきました。その過程において、「近い将来常用航路として北極海航路を利用することは可能」、「北極海では,船舶の航行の障害となる海氷とどう向き合い、安全運航のための問題に対してどう解決策を見出していくかが大きな課題。海氷分布を常に把握する方法はないのか」など、多くの意見交換が行われました。こうした意見交換のなか、当社では、航行の障害や船舶に損傷を与えるような海氷の状況を把握し、船舶の安全運航を支援することが急務であることと考え、北極海を中心に世界の海氷の状況を集約し、海氷の状態を常時監視する機能を持つ当アイスセンターを立ち上げました。
【グローバルアイスセンターの機能】

北極海の海氷分布の状況
(グローバルアイスセンター解析による)
当アイスセンターでは、極軌道衛星により北極海を中心とした海氷をモニタリングし、極域全域にわたり国境を意識しない統一的な形で、船舶が航行する上で必要な海氷の実況を解析し、情報の提供を行う計画です。
また、2010年には独自“感測”衛星「WNI衛星」に可視〜近赤外線カメラを搭載し、海氷のモニタリングを独自で行うことを予定しています。更に、世界中を航行している船長からの目による感測情報を用いて修正・更新を行い、双方向ネットワークを活用することで、海氷情報の高精度化を図ります。

I-SEE-ENGINEによる海氷予測
当アイスセンターでは、独自海氷実況解析・予測システム「I-SEE- ENGINE」を用いて、2週間先までの海氷の予測データを生成します。海水温、海流などの海気象情報と氷の観測をもとに、海氷の移動や変形(Movement, Convergence and Divergence)のプロセスを扱う力学モデルと、海氷の生成や融解(Freezing and Melting)のプロセスを扱う熱力学モデルからなる「I-SEE-ENGINE」によって、2週間先までの海氷の密接度や厚さ、動きを予測する計画です。
【グローバルアイスセンターの今後】
1. 海運会社へのサポートの強化
当社では、今後海運会社が北極海航路の実験航海を実施する場合に全面的なサポートを予定しています。そして、当アイスセンターから海氷の情報を発信することで、北極海における船舶の安全運航に寄与できると確信しています。
2. 海氷の視点からの温暖化モニタリングの実現
昨年は、北極海の氷の面積が観測史上最も小さくなりました。北極海の海氷の増減を当アイスセンターにて監視し、海氷分布を指標とした温暖化モニタリングの手法を確立させます。
3. 海氷に対する一般の方々への啓蒙
当アイスセンターは、東京大学や千葉大学をはじめとした海氷の専門家とともに、取り組みを共創・共進させ、より高精度な海氷情報を発信していく予定です。そして、一般の方々を含む多くの参加者とともに極域の海氷の知見を広めていきたいと考えています。
当社では、100万航海以上の最適航路情報を提供し海運会社を支援してきた実績を活かし、「運航の全体最適化」を目指す海運会社を今後も支援していきます。そして、当アイスセンターを通じて北極海の海氷の増減を監視することが、「気候変動」を理解するさきがけになることを期待しています。


