発行日 : 2011年08月24日
2011年8月21日6時40頃、福岡市で突風が発生した。この突風による人的被害は、軽傷者 1名。住家の被害は屋根瓦の飛散などが11棟。非住家の被害は77棟。その他、倒木3件、博多区のJR竹下駅では、列車の運休などが発生した。

21日朝、九州北部付近には秋雨前線が停滞し、前線上の低気圧が福岡県の北の海上を東へ進んでいた。 この低気圧に向かって東シナ海から暖かく湿った空気が流れ込み、九州北部付近では大気の状態が非常に不安定で、対流雲が発達しやすい状況であった。(右図:21日6時頃の気圧配置)

突風の発生した6時30分から6時40分頃、発達した雨雲を表すエコーが福岡県から長崎県にかけてのびており、突風の発生した福岡市周辺でも発達した雨雲が西から東へと通過したことがわかる。(右図:6時40分のレーダー画像。)

福岡市では突風時に、漏斗雲や竜巻を見たという報告があった。また、民家の屋根瓦が飛んだり、車の窓が割れ、木々も根こそぎ折れているなどの、被害の報告も届いた。
(写真は福岡市博多区のサポーターから6時59分に受信。)
被害は福岡県福岡市博多区竹下~博多区月隈の約3㎞に帯状に分布
(A)福岡市博多区竹下
被害は幅が約200~300m、北西~南東方向約500m。一部の建築物において、屋根瓦が飛ばされたり、車窓が割れる、自動販売機が倒れるなどの被害があった。また、JR九州で竹下駅の改修工事を行っているが、その足場が倒れた。その影響で21日午前中の路線がほぼ運休となった。倒壊方向は一様ではなく、現地では竜巻を見たという証言があった。
<博多区竹下の被害写真>
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(B)福岡市博多区那珂、板付
一部の建築物において、瓦が飛ばされたり、ガラスが割れた。また、屋根が飛ばされて、道路へ落下した際に、電線を断線。5時間程度停電が発生した。
現地のタクシー会社の従業員から、竜巻が直撃したとの目撃情報もあった。
<博多区那珂・板付の被害写真>
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突風に関連する気象擾乱がどのようなものであったかを調べるため、ソラテナの気圧のデータを解析した。 被害の発生した地点に近い福岡市南区の西鉄天神大牟田線大橋駅のソラテナの気圧データ(下図、横軸は20日21時から21日15時にかけての時刻、縦軸は気圧[hPa]。)では、午前0時から10時頃にかけて気圧が下降、上昇している(図中赤矢印)。擾乱の移動速度(時速約50km)からすると水平スケールは約500kmとなり、これは前線上の低気圧に対応すると考えられる。また、午前6時30分過ぎに鋭い降下のピークが15分ほどで現れている(図中赤丸部分)。水平スケールは、擾乱の移動速度からおよそ10kmと推定される。これは竜巻を発生させた積乱雲に伴うメソ低気圧の通過に対応する可能性がある。
気象解析からは、今回突風被害の発生した地域で、発達した積乱雲に伴うメソ低気圧の通過が推定される状況であり、これが竜巻の発生環境となっていた可能性がある。また現地調査により、風の被害が帯状に分布していること、被害を受けた場所の風向きが放射状でないことから、竜巻による被害の可能性が高いことを示唆している。また、現地のサポーターの報告から、竜巻を見たという証言があることから、今回の被害は竜巻によって発生したと断定することができる。竜巻のEFスケールは、被害の状況から判断すると32m/s未満の0と推定される。
※このWx Filesの記載は速報値であり、二次災害あるいは今後同様の災害を少しでも減らすことを目的としています。